被災物件について
塗りつぶされる欠陥
火災や震災に遭った建物が売りに出されたときは注意が必要です。
まずは火事ですが、直接被害を受けるのは火元の住戸ですが、消火作業によって火元住戸の直下階は一番下の階まで冠水の被害を受けます。
厄介なのは、この火災によって被害を受けた住戸です。火元の住戸では、木部以外にアルミサッシも燃えて紙のようになってしまいます。
被り厚の不足しているコンクリートの中の鉄筋の熱膨張によって、コンクリートが剥がれ落ちてしまい、管の中に入りコンクリートの中に埋められている電線はすべて燃えてしまいます。
もちろん、売りに出すときには、これらは補修するのですが、高熱にあぶられたコンクリートの劣化は防ぎようがありません。この壁や床や天井のコンクリート部分は共有財産なので、それが劣化したとしても、その火元住戸の売値が下がるわけではありません。
ですが、給排水設備でコンクリートの壁や床や梁を貫通している部分や、鉄筋がアンカーされている部分などは、ほとんど駄目になっているので完璧な補修をしないと、いろいろの弊害がでてきます。
ただ、例え補修をしても、どこからか焦げ臭がしてきますし、コンクリートの床が大きくたわむケースもあります。
また、地震の被害は壁などに亀裂が入り、建具の建てつけが悪化し、目に見えない基礎部分が壊れるという弊害が起こります。
こういったことを踏まえると、特別な事情でもない限り、被害を受けた物件には手を出さないほうがいいでしょう。