権利証を紛失したとき
二度と発行されない権利書
いきなりですが、正確にいうと「権利証」というものはありません。登記申請書の書式の登記の目的の項に「所有権保存」となっていて所有者の項に書かれている住所・氏名の人が所有者として、日本国が認めているということです。
間違いやすいのが「権利保存登記」と「表示登記」の違いです。前者は誰の所有物かということを証明するものですが、後者はどこにどんな物がある、という「表示の登記」ですから、その登記をしたからといって権利登記をしたことにはなりません。
さて、この「所有権保存登記」の証ですが、この世の中に1つしかありません。命の次に大切だと言われるパスポートでも、紛失したときは再発行してもらえますが、「所有権保存登記証」(権利証)は、いかなる理由があっても紛失したら最後、2度と発行されません。
では権利証を紛失したら、マンションを売却したり、購入したりできないのかというとそうではありません。保証書というもいのがあれば、所有権の移動ができますから、新しく所有者になる人の「権利保存登記」はできます。
その保証書ですが、そのマンションが登記されている法務局の管轄内で、不動産を登記している他の2人の人が保証人になって保証書に署名捺印すれば作成できるものです。
ですが、全く他人の物件を自分の物だと偽って、他の2人の人はその人の身内の者で、仕組まれて所有者権として登場することも考えられる訳ですから、そんな物件は注意が必要です。
とにかく「権利証」は大切に保存しておくことが重要です。